Rays of the view | New shadows
- Exhibition Catalog -
【発行】白井晴幸事務所 2023年 初版100部限定
【製本】ソフトカバー
【ページ】20ページ
【判型】182×257mm(B5判)
【Published by】Haruyuki Shirai Studio / 2023 First edition of 100 copies
【Binding】Soft cover
【Page】20 pages
【Size】182×257mm
アイデアの始まりは今から十数年前、コピー機の原稿をスキャン途中に引き抜く際に生じる歪んだノイズから、偶然にも景色を想像し、その独自な時間の留め方に惹かれたのがきっかけでした。線状のセンサーが原稿ガラスの盤面の端から端まで移動しながら読み取るという時間軸に興味を持ち、それをフィルムカメラに応用した作品「Panorama」「景色の光線」へと続きます。
フィルムカメラ内の開口部を、一筋のわずかな隙間だけから受光できるように塞ぎ、その極細な光景を、フィルムがモーター駆動の移動装置によって端から端へとスライドすることで露光させていきます。隙間から見えているわずかな景色が、移動するフィルムの効果からストライプ状に継ぎ合わされ、カメラの前を通り過ぎる被写体のタイミングと偶然によって記録されていきます。それは撮影に要する約10秒間に起きた出来事として抽象化されます。そこには写真による証明性はなく、存在の特異な時間の痕跡が顕されます。
The origins of the idea go back more than a decade, when I encountered the distorted noise created by pulling out a document in the middle of scanning it with a copier, which happened to lead me to imagining landscapes and becoming fascinated with capturing the unique aspect of time it created. This sparked my interest in the temporal axis created when a linear sensor scans from one end of the document glass to the other, which inspired my works "Panorama" and "rays of the view", where I applied this concept to film cameras.